仕方話

週刊新潮

週刊新潮に「大遺言書」という連載があります。
久世光彦による森繁久彌伝という感じですが、最近の様子も書かれています。
関連して芸能界の話題にも及ぶのですが、今回のテーマは「仕方話」でした。
由利徹を始め、堺正章小松政夫の仕方話の名人が紹介されていました。
私はこれを読みながら、「長さんは苦手そうだな」と考えていました。
すると長さんの名前が出てきたではありませんか!やはり、仕方話は下手だったと書かれていました。
長さんは、<言葉のギャグ>への信仰はなく、もっと無機質な、あるいは身体的なギャグを追いかけ続けた人だった、と久世光彦は書いています。
確かに長さんは話芸ではなく、リズムと動きで見せる芸でした。それ故にドリフのギャグは子供に受け易く、外国人にも分かりやすかったのです。
更に久世光彦は、長さんの笑いに捧げた情熱と、大きな仕掛けのある笑いの素晴らしさに命を賭けた功績は大きかったと評し、(晩年に)人情刑事などを殊勝にやっている長さんを見ていて、可哀想でならなかったとも書いていました。