結局ドリフは出ませんでした

さて二夜連続で放送された「ザ・ヒットパレード〜芸能界を変えた男・渡辺晋物語〜」ですが、ドリフターズのドの字も出ませんでした。出なかったと言うより、存在そのものがスルーされていました。
大人の事情というやつですかね?
スルーされていたと言えば、日劇でのウエスタンカーニバルもスルーされていました。
こちらは渡辺プロの躍進のきっかけになったイベントなのに、省略しちゃいかんと思うのですが。
話の流れが淡々と進みすぎて、説明不足の部分が多かった気がします。
学生時代の美佐のマネージャーとしての仕事振りを、もっとしっかり描いて欲しかったと思います。
晋が単に惚れた腫れただけではなく、マネージメントの手腕を買っていてプロポーズした訳だし、その後の渡辺プロの発展に彼女の能力が発揮される描写にも繋がって行くのです。
中村八大がシックスジョーンズを抜けるシーンにしても、山下敬二郎が他の事務所へ移籍するシーンにしても、人物に対する掘り下げ方が浅くて、あんまり深刻さが伝わってきませんでした。
有名人のエピソードなので、詳しく説明する必要が無いと思ったんでしょうか?でもねえ、ドラマなんだからストーリーで見せる所は見せなきゃいかんと思うんですよ。
架空人物の森山猛は、盛田昭夫かと思ったんですが、特定の人物がモデルというよりは、当時の財界そのもののイメージ化だったようです。
ちなみに実際の「おとなの漫画」のスポンサーは日本理研ゴム、または毒掃丸本舗でした。こちらを参照
何故、渡辺晋が財界入りにそれほど拘ったのか。それまでヤクザと係わる水物商売だった興行を、企業のビジネスとして成り立たせたかったからなんですが、この辺の描写は今でも業界的にはタブーなんでしょうか?
世間一般の芸能界を見下した風潮と、渡辺晋の屈辱はそれなりに描けていたとは思います。
今回のドラマでの一番の見所は、「ザ・ヒットパレード」の再現。これはフジテレビにしか出来ない芸当です
植木等役の陣内孝則は役作りの為に減量しただけあって、雰囲気が出ていました。谷啓役は見たまんま谷啓でした。
ただ、ハナ肇役と青島幸男役が、イメージに合っていなかったです。それなりにキャラを作ろうとしているのは伝わってくるのですが、別の方向へ行ってました。
渡辺プロによる50周年記念ドラマなので、都合の悪いエピソードは扱えないという制約はあったのでしょうが、むしろ満遍なく渡辺プロの歴史を描こうとしたのが、歯抜けの部分を目立たせてしまいました。
やっぱり4時間足らずで、50年の歴史を描くのは無理な話なので、テーマを絞り込んだ方が良かったと思います。
タイトルが「芸能界を変えた男・渡辺晋物語」なんですから、もっと渡辺晋が、芸能界を改革していった過程を、「プロジェクトX」よろしく描いて欲しかったです。


さて、こちらでザ・ピーナッツとクレイジーキャッツの初公開映像が見られます。
http://station50.biglobe.ne.jp/broadband/index_st50_penuts.html
http://station50.biglobe.ne.jp/broadband/index_st50_crazycats.html