すわしんじの「他言無用」

「他言無用」は元ドリフターズの付き人の、すわ親治ブルース・リーのものまねや「飛べ!孫悟空」で馬をやっていた人)が参加しているグループですが、この度、サイト閉鎖と公演中止に追い込まれました。
http://www.st21.co.jp/tagon/
署名にすわ親治の名前もあります。
事の発端は「週刊金曜日」が主催した集会での寸劇。
「他言無用」のメンバーの一人である石倉直樹が、千代田区1丁目1番地にお住まいの「さる高貴なお方の奥さん」を演じた寸劇でした。
週刊新潮が取り上げて記事に。その記事を読んだ右翼が激怒。
12月9、10日の「他言無用」の公演会場へ右翼の街宣車が押しかけ大騒ぎ。
びびった「他言無用」サイドは、その後の予定だった名古屋公演は中止。サイトも閉鎖。
これが大まかな流れです。
週刊新潮はよく買うので、リアルタイムで、この記事も読みました。
その時の感想は、「週刊金曜日の批判はセンス無いな」程度でした。唯一センスを感じたのは「君が代」を「星条旗よ永遠なれ」のメロディーで歌った部分です。
どんな内容だったのかはこちらに記事の内容が書いてあります。
そもそも風刺というのは、権力や社会に対する疑問に皮肉を込めて突っ込むものであって、記事を読む限り、単に好かない相手を小バカにしているだけでした。
私が皇室を風刺する台本を書くなら、「宮内庁民営化計画で雅子様もお元気に」とか「絶滅危惧種コーゾックを護れ」とかいうのにします。
この件に関しての取材に、言葉を濁す他の関係者に比べて、「お笑い芸人としてタブーに挑戦する」と断言する石倉直樹には好感が持てたのですが、アッサリ「もう皇室はパロディにしません」って降伏する態度を見て、情けなくなりました。
週刊金曜日」が主催した集会には、すわ親治は加担していなかったそうですが、「さる高貴なお方の奥さん」は「他言無用」の持ちネタだったようなので、すわ親治も出演した12月9、10日の公演でも、このネタが披露されたのかもしれません。
でも、この記事を読んでつくづく感じたのは、弟子でありながら師匠の長さんとは方向性が違っていたなと、言う事です。
長さんは自伝「だめだこりゃ」で、ドリフのコントにはあえて風刺ネタ、当時の著名人を名指しするネタは避け、それをポリシーにしていたと書いています。
すわ親治は「他言無用」以前には、風刺を得意とした「ザ・ニュースペーパー」に在籍しており、根本的に風刺系の笑いが好きだったのかと思います。
長さんは、すわしんじを中心に次世代ドリフターズを作りたかったようですが、もしそれが実現しても全く違う性質のグループになっていたかもしれません。
ちなに12月9、10日の公演開場は社民党の本部にあるホールです。
ここは政党のホールでありながら、一般人でもお金を払って手続きすれば誰でも借りられます。
それこそ「お笑い芸人としてタブーに挑戦する」意味で、この場所を選んだと思ったのですが、単に思想が近い縁だったのでしょう。