絶望に効くクスリ

漫画家の山田玲司が様々な分野の人と対談し、"絶望に効くクスリ"を求めていくという漫画があります。
その「絶望に効くクスリ」9巻に高木ブーとの対談が収録されています。
対談は六本木の高木ブーの店(現在は閉店)で行われたようです。
作者は会話の中で六本木ヒルズ族マネーゲームについて触れ、そういう人たちは本当に幸せなのだとは思えないと、資本主義批判をぶちます。(作者は思想が左寄り)
それに対して高木ブーは「何で?」の一言で返します。
そして「その年代の事情っていうのがあるからね」と続けます。
高木ブーは、終戦で価値観が180度変わってしまった体験をした世代です。だからこそ、時代によって事情は変わると身をもって感じてるのでしょう。
そもそもそういう話題を高木ブーに振る事自体、ナンセンスだと思うんですが。
対談の内容は高木ブーの生い立ちや、ドリフターズとしての活動の思い出などで、関連書籍に書かれている内容と殆ど被ります。
改めて感じたのは、高木ブーはお坊ちゃん育ちのおっとりした性格なんだなという事。
そしてテレビでは見えないところで、グループ内の細かい面倒を見ていたという事です。
よく「ドリフターズは、社長がいかりや長介で専務は加藤茶」と言われますが、長さんの陰の女房役は、高木ブーだったんだと思えました。
漫画の後に、作者のインタビュー後の感想が書かれているのですが、高木ブーは何度も何度も長さんの話をして、しんみりと想いに耽っていたそうです。
長さんが亡くなって、今はいい思い出だけが残っているせいも有るんでしょうが、高木ブーは長さんの事が大好きだったようです。